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#プラスチックストロー #脱プラ #ストロー廃止 #生分解性プラスチック

#バイオプラスチック #バイオマスプラスチック #海洋汚染 #プラゴミ

《むぎちゃん》
こんにちは!「わらおストロー」のキャラクター「むぎちゃん」です。「ストローのまち」岡山県浅口市生まれ。身長はストロー6本ぶん。好きな飲み物はイチゴミルク!

おとうとの「かんくん」といっしょに冒険ごっこをするのが好き。最近、もの知り博士のおとうさんに地球環境のことを教えてもらっているよ!

 

《かんくん》
こんにちは!「わらおストロー」のキャラクター「かんくん」です。身長はストロー5本ぶん。好きな飲み物はクリームソーダ!

いつもお姉ちゃんの「むぎちゃん」に甘えてばかりだけど、夜はひとりでもトイレに行けるよ。環境のことも勉強しているよ。

 

《むぎちゃん》
ストローって、いつごろから使われはじめたのかなあ?


《おとうさん》

ストローが使われ始めたのは、いまから5千年以上も昔らしいんだ。メソポタミアのシュメール人という人たちが、ビールを飲むときに、葦(あし)のストローで飲んでいる絵が残っているよ。


《解説》人類史のストローの始まり
紀元前4千年~3千年前頃、古代メソポタミア文明のシュメール人によって、ビールに関する製法が「モニュメント・ブルー」と呼ばれる陶板に描かれている。その作り方は、

麦を乾燥して粉にして、焼いたパンを砕いて水を加え、自然の酵母で発酵させるというもの。そのビールを飲むときに、葦(アシ)のストローが使われたというものです。
古代のビールですから、沈殿物や浮遊物があるわけで、それらをよけて澄んだ所のビールを飲むのに葦のストローが使われたわけです。
そんなわけで、ビールに限らず澄んだ水を飲むなど、昔から人間の知恵としてストローが使われていたかも知れませんね。


《かんくん》
大昔の人の知恵からストローは生まれたんだね。

 

《むぎちゃん》
わたしたちの住んでいる浅口市は「ストローのまち」と呼ばれているけど、どうしてなの?


《おとうさん》

日本でストローが作られるようになったのは、ここ岡山県浅口市と言われているんだよ。昔このあたりは麦の産地で、その麦わらで帽子をつくる工場がたくさんあったんだ。

そして、麦わらからストローをつくりはじめ、今ではプラスチック製のストローの日本一の産地になっているよ。


《解説》日本の商品としてのストローの始まり
近代日本におけるストローの始まりは、岡山県の南西部に位置する寄島町が発祥と言われています。寄島町史によると、明治時代に始まった真田の生産が原点で、 麦稈真田(麦藁で真田紐のように編んだもの。)を用いた麦稈帽子(麦わら帽子)の生産が始まったのが明治34年ごろで、同じ頃に、麦稈を原料としたストローの生産が川崎三一の手によって始められたとなっています。つまり、最初のストローは麦藁です。英語でstrawは、藁(ワラ)のこと ですので、ストローの名前は麦藁からきているのです。
ちなみに、strawhat(ストローハット)とは麦わら帽子のことですね。麦稈ストローから始まっ たストローも、原料の麦稈が農業構造の変革から減産したことと、原料の品質が不揃いであることから、紙ストロー(紙麦藁帽子を巻いて筒状にしたストロー)へと移行 するも、消費の伸びから需要に応じきれず、ビニールストローへと移行し、そして、現在のポリプロピレンを原料としたストローに至っています。
すなわち麦わらを模した中空の形状や用法は変わっていない事から現在でも変わらぬ『ストロー』という名で呼ばれ続けています。


《かんくん》
へえ〜。ぼくたちの町ってすごいんだね。

 

《むぎちゃん》
今わたしたちがジュースを飲むときに使っているストローって、何からできているの?

 

 

 

《おとうさん》
今のストローのほとんどは、プラスチックの一つでポリプロピレンというものからできているよ。ポリプロピレンはとても軽くて強い。せいけつだしコストも抑えられるからストローにさいてきなんだ。

《解説》ストローの主原料、ポリプロピレンとは
外見はポリエチレンに似ていますが、もっと硬く引っ張りに対しての強さがあります。1954年にイタリアのジュリオ・ナッタが発明し、1957年よりモンテ カチーニ社により本格的に生産開始されました。比重は0.9~0.92と汎用プラスチックの中では最も軽いのも特徴で、耐熱性はポリエチレンよりも高く 110℃くらいです。
しかも硬質でありながら折り曲げに対しては非常なまでの強さを持っており、CDケースやフタ付きのケースなどは何度 も折り曲げを行っても切れないのはこの性質を使っているためです。もちろん曲がるストローに最も適しているといえます。また、ポリプロピレンは絶縁性が高く薬品にも強いという性質を持っています。
PP(ポリプロピレン)『ストロー以外の使用用途』:電化製品や通信機器の絶縁体、薬品の容器・包装等
写真の半透明なのがPP(ポリプロピレン)で、赤や黄色の粒は、着色剤です。PP自体は色はありませんので、白や赤など色を付けるときに着色剤を配合します。


《むぎちゃん》
プラスチックのストローって、どのように作られているの?

 

 

 

《おとうさん》
材料のプラスチックを熱で溶かす機械に入れ、溶けたプラスチックをトコロテンのように押し出すと、筒のかたちになって出て来るんだ。これを水で冷やして、決められた長さに切り揃えるとストローができあがるよ。

《解説》ストローの製造方法
原料となるプラスチックの樹脂を押出機という機械の中で温度を上げて溶かします。 押出機の先端部分にはダイスと呼ばれる口金があって先端にリング状の隙間があります。ここから溶けた樹脂をトコロテンのように押出すと筒状のストローが出て きますが、すぐに冷却水槽に入って形が整えられます。数メートル先には、引き取り機というローラーがあって、押出機から出てきたストローを高速で引張って いて、その中間に冷却のための水槽があります。 溶けた樹脂を高速で引張ることで薄肉の連続したストローが出来上がります。引き取り機の直後に、回転するカッターが付いていて、一定の長さのストローが連続して出来上がります。


《むぎちゃん》
へえ、トコロテンか。おもしろいね。作っているところを見てみたいなー。

 

《かんくん》
ぼくがジュースを飲むとき、曲がるストローじゃないとうまく飲めないよ。曲がるストローってどうやってつくってるの?


《おとうさん》
曲がるストローは、まっすぐなストローに機械で山と谷の折り目をつけてつくっているよ。まがるストローは、プラスチックでなければつくれないんだ。
きみたちみたいな小さなこどもや、お年より、病気のかたなどは、曲がるストローがないと飲めなくて困ることもあるよね。

《解説》曲がるストローのつくり方
最初に真っ直ぐなストロー(ストレートストロー)を作っておいて、ジャバラ加工機(フレキサー)という機械で曲がる部分を成型加工します。 作り方は、ストローの所定の位置に、ストローの円周上に一定の間隔で山と谷の折り目をつけます。その後、ストローの両端をつかんで、折り目の部分を内側へ押 してやると、折り目をつけた山と谷の部分が折り曲がって縮んできます。このときに、ストローの中に芯棒を通してやるのがコツで、芯棒がないとストローがゆがんでしまってうまく折り曲がりません。 ところで、ストローの曲がる部分の正式名称は何というのでしょうか? 弊社では、フレックスとかジャバラ(蛇腹:蛇のお腹のように見えるから?) とか 呼んでいます。

 


《むぎちゃん》
たまに、ストローに赤やみどりの線がはいっているのはどうして?

 

 

 

《おとうさん》
それは おとうさんも知らないなあ。シバセ工業のひとにきいてみよう。

《解説》ストローの線の意味と作り方
昔からよく見かけるストローに入っているカラフルな縦線、弊社では”ストライプストロー”と呼んでいますが、 この縦線、意味は特にないんです。デザイン目的で付けたところ、ヒットして定番品になったというのが真相で、現在でも売れ筋商品です。 この縦線は、押し出しているストローに、薄く直角にライン原料を当てて線を引いています。 その為、横線を引くことは出来ません。 弊社では、白とクリアのストローに、 赤、黄、緑、青の4色のラインがあるストライプストローを販売しています。
作り方は、ちょうどマジックでストローにラインを引くイメージです。ストロー押し出し機の出口付近に、ライン専用の押し出し機があります。ライン専用の押し出し機で溶け出た原料は、その後4本に枝分かれして、ストローに直角にあたるように出てきます。その量はごくわずかです。

 

《むぎちゃん》
友だちから「プラスチックストローをやめて、紙のストローを使うレストランやカフェがふえている」っていうことを聞いたんだけど、プラスチックのストローを使うのはよくないの?

 

《おとうさん》
いま、世界じゅうの海へ、いろんな国からプラスチックのごみが流れ出て自然環境をこわしていることが報告されて、ひとびとの関心が集まっているんだ。

その大きな原因が、みんなが食べている食品の袋やトレイ、レジ袋などのごみだと言われているよ。プラスチックストローもそれらの仲間ということで、

プラスチックストローをやめて、他の材質にしようと言っている人が大勢いる。
でも、この問題については、賛成意見も反対意見もたくさんあって、どちらにも言い分があるけど、すべてが正しいわけではない。

さらに詳しい調査をしたり情報を公開して、良い対策を立てるための判断ができるようになればいいね。



◎参考記事
●まぐまぐニュース 
https://www.mag2.com/p/news/399084
●IRONNNA 毎日テーマを議論する 
https://ironna.jp/article/11022
●ごみのポイ捨て絶対ダメ! 
https://no-littering.net/let-see-and-think-truth
●ニュースジャパン 
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-51043938
●ナショナルジオグラフィック
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/18/053000010/053000001/?P=4
●ダイヤモンドオンライン 
https://diamond.jp/articles/-/174706?page=3
●ITメディアビジネスオンライン 
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1807/12/news127.html
●ニューズウイーク日本版 
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/08/post-12701.php
●ライブドアニュース 
https://news.livedoor.com/article/detail/15377389/
●CNNニュース
https://www.cnn.co.jp/world/35142654.html
●日経バイオテク
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/btomail/18/10/11/00432/
●プラなし生活
https://lessplasticlife.com/marineplastic/driver/biodegradable_plastic/


《かんくん》
紙のストローや、バイオストローとかいうのがあるって聞いたよ。プラスチックのかわりに、そんなストローをつかうほうがいいんじゃないの?

 

 

《おとうさん》
紙のストローは飲み物の味が変わってしまうし、時間がたつとふやけて飲みにくくなる。使ったあとは汚れがついてリサイクルできない。紙は水を含むと燃えにくくなって余分な石油を使うからエコにつながらないよ。
バイオストローや生分解性ストローは、コストがとても高いし、海での中では分解されにくい、分別も難しいことなど、まだまだいろんな問題があるようだね。
今の段階では、プラスチックストローを使って、きちんと分けてすてること。それを残らず回収して石油の代わりのエネルギーとして使うという日本のシステムが、いちばん環境にやさしい方法といわれているよ。

《解説》プラスチックストローの代替品に対する考え方
①紙ストロー
使用後は食材が付着してリサイクル不可。焼却もしにくい。子供や老人に不可欠の「曲がるストロー」を作れない。使用中に紙の繊維や接着剤が溶け出して、味が変わる。
②バイオストロー
石油以外の素材として検討されるが、プラスチックは石油の数%しか使っていない。バイオ技術は、ストローよりも人口増加に対する食糧不足解決に向けるべき。
③生分解性ストロー
完全に分解しないし、最初から捨てることを前提にすべきではない。使用後に100%回収して、焼却処理する前提なら替える意味がない。プラスチックストローと見分けがつかないので、

種類が増えればマテリアルリサイクルがより困難になる。


《かんくん》
そうなんだ。じゃあ、これからもプラスチックストローを使い続けていくために、ぼくたちはどんなことに気をつけたらいいのかなあ。

 

 

 

《おとうさん》
ジュースなどを飲んだあと、きちんと分けて回収してもらうのがいちばん大事だよ。プラスチックストローの使い捨てがよくないのではなくて、

食べ残しといっしょに捨てたり、道ばたや海にポイ捨てすることがもんだいだね。
ストローなどのプラスチックごみを、きちんと分けて回収してもらい、焼却炉で燃やすことで電気をつくったり、プールの水を温めたりすることを「サーマルリサイクル」というんだ。
日本はゴミを回収する仕組みがととのっていて、ごみをもやす設備の性能も世界一といえるほどだから、プラスチックを燃やしても有害物質は出ないし、

埋め立てるゴミやそこから出る温室効果ガスが減らせるんだ。
石油をそのまま燃やして発電するより、ストローなどで一度利用したものをエネルギーとしてもう一度使うほうがエコにつながると思わないかい?

 

《かんくん》
そうだね。そんな日本の良いところが外国にも広がっていけばいいね。